自然整形

ただでさえ地味な自分の顔の中で、目が一番嫌いだった。


一重で、小さく、目力も弱々しく、感情も伝わりにくい、ぼんやりとした瞳。

この遠慮がちな目が、余白多めの顔面をさらなか地味で表情の乏しいものにしていた。


ところが、5年ほど前から私の両目はかなりクッキリとした二重になっている。

加齢による皮膚のたるみでまぶたが下がってきただけだし、目そのものが大きくなっている訳ではないので、顔の印象は大して変わらない。


でも、ずっと憧れていた二重が労せず手に入り、少しだけけ鏡に向かって化粧をするのが楽しくなった。


今、私の娘も同じように二重に憧れている。一重ではあるが、私よりは、クリッとしたどんぐり眼で、十分だと思うが、目の上の線にこだわる気持ちはよくわかる。


40近くまで待てないのなら、大人になったら二重整形だけはしていいよ、と言っているが、実際その時になったら、やっぱり反対してしまいそうだ。