高まる射幸欲
私はついていない人間なので、当然、くじ運もない。
毎年、クリスマス時期は一万円以上買い物をして、ショッピングモールの歳末抽選くじを引いたりするが、だいたいアメかうまい棒、運が良くて一つ上のサランラップだ。
私の家族も悲しいほどくじ運が悪い。以前、夫婦で家族の誕生日を組み合わせて、毎週ロトを買っていたが、あまりにもかすらなくて、1円のバックも出ないまま、断念した。
でも、子ども達はクジから、お祭りの射的や、携帯ショップの前でよくやっている巨大なガラガラや、フェニックスガムやガリガリクンの当たりまで、とにかく運試しが大好きだ。
そして、娘はテレビの視聴者プレゼントにも飽くことなくマメに応募している。
私は、
「当選の発表は、発送をもって代えさせていただきます。」
ほど、信用できないものはないと思っているので、絶対に応募しないのだが、娘は、
「ふぐちりセットって、毒ないんだよね?大丈夫だよね?」
と、当たった後の心配をしている。
ちなみに、ただの一度も当選したことはない。
結局、くじ引きの醍醐味は、もちろん本当に賞品を手にすることもそうだが、当たった時の喜ぶ自分を想像してワクワクする気持ちそのものじゃないかと思う。
そういえば、子どもの頃、近所の駄菓子屋でモロッコヨーグルトを3回連続で当てたことがある。あれが私のクジ運のピークだったねかもしれない。