すっぱいブドウ
学校行事や、ショッピングモール、子どもの習い事などでよく見かけるママ友の集団。
何つながりかは知らないが、かなり気心しれた様子で一様ににぎやかだ。高らかな笑い声は嫌でも耳につく。
正直、ちょっと引き気味に見てしまう自分がいる。「私たち、こんなに楽しいです、こんなに仲良しです!」と、いう空気に臆してしまうからだ。
私はこんな集団には入れないし、入らなくていいや、と思うのも本音だ。
でも、心のどこかで彼女たちが、とても羨ましい。
本当は、お花見やBBQに誘ってもらえたら嬉しいし、いい歳して、ちゃん付けで呼びあえる友達がほしいし、一日、数百件のLineに困ってみたいのだ。
でも、私は和気藹々と楽しそうな集団にはこれからも一生縁がなさそうだ。だから、「きっとああいうグループも、中では色々大変で、面倒くさいよ」と、自分自身に強がって見せている。
そういえば、夫の会社関係から、某テーマパークの招待券をもらったので、思い切って来月いくことにした。そこがテレビに映るたびに、
「すっごい混んでいるし、何でも高いし、楽しくないよ!」と、子ども達に言い続けてきたけど、いざ行けるとなると今から楽しみで仕方ない。
ブドウの味は食べてみないとわからないのだ。