あなたにハッピーバースデイ

もうすぐ、中学から大学までの友人の誕生日だ。


物静かで、優しくおだやかな彼女は、いびつで付き合いにくいであろう私と、本当に仲良くしてくれた。


彼女とは、国内外、あちこちに旅行に行った。東北の山でゲリラ豪雨にあい凍えながら下山したり、カナダで並んで食べたレストランの料理がおどろくほど不味くて笑ったり。


楽しいことのあまりなかった私の学生時代。それでも、わずかに残るキラキラした思い出にはだいたい彼女がいてくれた。


普段は、あまり口数も多くなく、陽だまりのように、にこにこと笑っている彼女だが

とても芯が強いところがあり、大学の就職活動の時は、私を含め、周りが手頃な所でどんどん就職先を決めて行く中、あくまでも、自分のやりたい仕事にこだわり続け、卒業も間近になってから、誰もが驚き、うらやむ優良企業に就職を決め、20年近く経った今でも、バリバリのキャリアとして頑張っている。


その間、ステキな旦那様と巡り合い、お子さんもいる。


実は、彼女とは、私が上の子を妊娠中から、15年ほど会っていない。 

でも、彼女は必ず私の誕生日にメールをくれる。

そのこと自体もちろん嬉しいが、仕事と家事に追われる忙しい中、一瞬でも私を友達として思い出してくれることが、なによりありがたいのだ。


そして、今度は彼女の誕生日。いつかまた、会えることを願いつつ、どんな文章にしようか考えている。