子どもは大人

先日、娘の進学塾の面談があった。

塾内での娘の成績は、「真ん中より少し上」模試の結果も、こちらがよければ、あちらが下がる、で、なかなか伸び切れない。
なので、ある程度の注意と低評価を覚悟して重い気持ちで、面談の席に着いた。

ところが、先生からは、細かな部分での指摘はあったものの、娘の現状は4教科ともまったく問題ない、とのこと。さらに、志望校の話になり、私が挙げた数校について「良い学校」、「娘に合っている」と褒めてくれた後に、
「でもね、お母さん。正直、娘さんはもう少し上を目指してもいいと思うんですよ。」
と、今まで偏差値表でも目にも入らなかった、ハイレベルな学校の名前を挙げてくれたのだ。

私はすっかり有頂天になり、浮かれた気持ちのままふらふらと家に帰った。そして、学校から帰った娘に、テンション高くその話をしたのだ。ところが、彼女は意外にも白けた様子で
「あのさぁ、そんなのお世辞に決まってるじゃん。やめさせたくないのと、やる気を出させたいから、盛ってるんだよ。だいたいさー、お子さんは、この程度の学校しか受かりませんよ、とか言うわけないじゃん。」
と、淡々と言ってのけた。

…なるほど、娘の言う通りだ。やる気、とは違うが、夢の〇〇中というステージに上がれるなら、私は夏季のオプション講座に惜しみなく大枚をつぎ込んでいただろう。
全部とは思いたくないが、先生の営業トークにまんまと乗せられそうになった。

30も年下の娘の大人びた意見に驚かさせれ、そしてあまりにチョロい自分が恥ずかしくなった。