私が切った人。

今まで、数限りない人に突き放されたり、疎遠にされたりしてきた。

いつも、最後は必要のない存在になって振り払われる。


そんな思いばかりしてきた私だが、人生に2人だけ、まだ縁が繋がっているうちに、こちらから疎遠にさせてもらった人がいる。


一人は上の子の同じ幼稚園だったママ友だ。

子供同士が仲良くなったことと、家が割と近かったことから、待ち合わせて登園したり、幼稚園の帰りにどちらかの家で遊ばせたりするようになった。どちらかというと、彼女の方が積極的に声をかけてくれて、本当にありがたいと思っていた。


ところが、ある日、元々は彼女の友達でそのつながりで仲良くなったママから、私が彼女に話したことが、かなり自慢めいた話として周囲に広まっていると聞かされた。

そのことを教えてくれたママさんは、面白がって私に話した訳ではなく、自分も彼女に話した秘密がばらまかれていないか不安になったそうだ。

確かに、私にも彼女はそのママの話をかなり、悪意を含んだ形で話していた。そのことを本人には言わなかったけれど。


結局、私が相手を信用しすぎて、軽率に秘密を打ち明けたりしたのがいけなかったのだけれど、さすがに怖くなり、その近所のママからは距離を置くようになった。


もう1人は、下の子の習い事で知り合ったママで、とてもほんわかと人当たりがよく優しい人だった。

でも、彼女は優しいがゆえに、自分の子供のどんな行いも注意しなかった。彼女のお子さんと遊ぶたびに、いろいろと嫌な思いをしてきた娘は、ついに、そのお子さんとは遊びたくないという本音を口にした。


子ども同士のトラブルにはあまり口を出したくないという気持ちと、数少ないママ友によく思われたいという黒い気持ちで、娘を守ってやれなかった私は、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、とりあえず習い事の曜日を変え、そのママさんからフェードアウトした。


今思うと、私がもっとうまく人間関係を作れていたら、どちらのママとも適度な距離感で上手に付き合えたはずだ。結局は、私の要領の悪さが人を遠ざけてしまうのだ。