涙の公園

こんな私でも、友達関係が華やかな時が少しだけあった。


上の子がまだ赤ちゃんだった時、歩いて行ける場所に児童館がなかったため、息子を抱っこヒモでくくりつけ、バスで少し遠くの児童館に通っていた。


毎回ではないが、同じバス停に同じ曜日、同じくらいの時間に、息子と同じくらいの赤ちゃんを連れてくるママさんがいた。何となく話すようになり、その内待ち合わせをして、一緒に児童館に通うようになった。


彼女は、私より2つ下で、美人で、でも庶民派で気さく、明るく誰とでも楽しく付き合える人だった。当然、彼女の周りには人が集まり始め、私も含め6人ほどのママグループになっていた。


児童館で車座になって持参のお弁当を食べさせたり、たまにはモールのフードコートでランチしたり、電車で子ども向けのイベントに行ったり、いわゆるリア充なママ友ライフ。

その中に私がいるなんて、夢のようだった。


そんな毎日に影がさしたのは、例の彼女が、みんなでリトミック系の習い事を一緒に始めないか?と提案したのがきっかけだった。


親子で連れ立って、ゾロゾロと体験に行ったのだが、すぐに楽しそうに踊ったり手遊びしたりする他の子をまえに、息子は固まったまま、私から離れようとせず、結局何もしないで終わった。


私もせっかく入れてもらったママグループから取り残されたくなくて、エゴ丸出しで、息子にすがったが、彼は断固入会を拒否し、結局、仲間内で私たち親子だけが、その習い事をやらなかった。


その後は、案の定、波がサアットひくように私のリア充ママ友ライフは寂しいものになっていった。


みんなは、週1で習い事で集まるので、あまり児童館に足を運ばなくなり、たまに、顔を合わせても、習い事の話だったり、そこで出来た新しい友達の話でついていけず。少しずつ、でも確実に私はそのグループから1人疎遠になっていった。


待ち合わせて、公園に行く友達もいなくなり息子と二人で公園に行き、ほかのママ友グループにも入れず、二人で砂場で山を作る。


「まえさ、〇〇くんとおすなしたよね。またあそびたいな〜」

スコップを手に振り向いた息子の言葉に思わず涙がこぼれおちた。